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冬の光に包まれて。儚さを写した成人式前撮影の一日

18 Dec 2025

「アートっぽくて、すこし儚い・淡い雰囲気の写真が好きなんです。」

成人式前撮影のご相談をいただいたとき、
そう話してくださったご本人の言葉が、とても印象に残っています。
晴れやかさの中にも、今しかない一瞬のきらめきや、
少し切なさを感じるような空気感。
“大人になる節目”だからこそ、ただ華やかなだけではなく、
心の奥にそっと残るような写真を残したい。
そんな想いが伝わってきました。

今回のロケーションは、臨江閣前橋公園
歴史ある建物と、自然の光が広がる場所をめぐりながら、
物語のように撮影を進めていきます。

撮影当日は12月。
風はひんやりと冷たく、吐く息が少し白くなるような冬の日でした。
それでも空は澄み渡り、冬ならではのキラキラとした太陽の光が、
静かに街を照らしていました。

最初の撮影地は臨江閣。
木の温もりと重厚感のある建築は、
どこか時間がゆっくり流れているような場所です。
大きな窓から差し込む自然光が、振袖の色や質感をやさしく浮かび上がらせ、
その光の中に立つ姿は、まるで一枚の絵画のよう。

ポーズを決めすぎることなく、
ふと視線を落とした瞬間、歩き出す一歩、袖が揺れる仕草。
その一つひとつが、とても自然で、そして儚い。
「今、この時間だけ」の空気感を大切に、シャッターを切っていきました。

臨江閣を後にし、次に向かったのは前橋公園。
広がる空と、冬の澄んだ光が印象的なロケーションです。
少し冷たい風に振袖の袖がなびき、髪飾りが揺れるたび、
成人を迎える凛とした強さと、まだ残る少女らしさが、同時に感じられました。

冬の太陽は低く、光はやわらかく、淡い影を落とします。
その光が、振袖姿をそっと包み込み、
華やかさの中に、静かな透明感を添えてくれました。

撮影が進むにつれ、最初は少し緊張していた表情も、
次第にやわらぎ、自然な笑顔へ。
それは「写真を撮られている」というより、
「この時間を楽しんでいる」表情でした。

成人式は、人生の中でも特別な節目。
これまでの時間と、これからの未来が交差する瞬間です。
その“はざま”にある今だからこそ写せる、儚く、淡い表情や空気感があります。

今回の前撮影では、
アートのように、少し余白を残しながら、
見るたびに心に静かに響く写真を目指しました。

冷たい風、澄んだ空気、やさしい冬の光。
臨江閣と前橋公園という場所が重なり合い、
成人を迎える振袖姿を、爽やかに、そして儚く包み込んだ一日。

この写真たちが、
何年、何十年先に見返したときにも、
「この時の気持ち」をそっと思い出せる存在でありますように。

成人、心からおめでとうございます。

ロケーションブリーズ