『花魁姿撮影体験記』「きものファクトリーにいさと」 × ロケーションブリーズ
2025.05.08
モデルストーリー:「凛として、咲く」
ずっと、自分に自信が持てなかった。
周囲と比べては、
足りないところばかりが目について、
「私なんかが輝ける場所なんてない」
そう思い込んでいた。
そんなある日、
SNSのタイムラインで目に入った、一枚の写真。
煌びやかな着物、
凛とした視線。
その女性は、
まるで異世界の住人のようで――だけど、
どこか、自分と同じ空気をまとっていた。
調べてみると、それは「花魁姿撮影体験」。
いつもならスルーしてしまうはずなのに、
その日はなぜか、
「やってみたい」と思った。
当日、胸の奥で緊張が跳ねる。
手に触れた打掛の質感、
メイク道具の香り、
結い上げられていく髪。
いつもの自分が少しずつ脱ぎ捨てられて、
気づけば、
鏡の中には「花魁」となった私がいた。
カメラマンが言った。
「目線は少し斜め下。そう、そのまま。
――あなたの中にある“強さ”を見せてください」
撮られている間、
不思議と心が静かだった。
花魁という姿が、
自分を飾るための衣装ではなく、
内に秘めた想いを
“映し出す鏡”のように感じられた。
艶やかで、しなやかで、
でもどこか切なくて。
「私に、こんな表情ができるなんて」
写真に写った私は、誰でもなく、
確かに“私自身”だった。
あの体験から、少しずつ変わった気がする。
誰かの期待に応えるだけじゃなく、
「自分自身を生きる」ことの美しさに、
ようやく気づけたから。
今、私の部屋には
あの一枚の花魁姿の写真が飾られている。
落ち込んだとき、不安なとき――
その視線が私に語りかけてくる。
「あなたは、あなたのままで、美しい」
『花魁姿撮影体験記』
「きものファクトリーにいさと」 × ロケーションブリーズ